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2016年12月9日金曜日

「心の時代」にモノを売る方法


 こんにちは、Hiroです。今回は、ドトール会で発表した本に関してのブログになります。この本は、2012年11月に出版された本です。
 ちょうどその前後に、CRM(Customer Relationship Management)のWebサービスを開発をしていて、この本以外にも「小阪裕司」さんの本はよく読み返し、開発の参考にしたものです。

 さて、この本なのですが、消費社会の変化の中でどのようにモノを売るのか、そのためにはどのような能力を磨くべきなのかが事例をもとに書かれています。各章での概要を記載しますので、ぜひ参考にして興味があれば読んでみてください。

1. 変わりゆく消費社会とたったひとつの欲求

 この章では、時代の変化とともに、消費社会が変化している歴史について書かれています。
  1. 耐乏生活期
  2. モダン消費期(高度経済成長期)
  3. ポストモダン消費期
  4. ネオポストモダン消費期(縮む消費と選ぶ消費)
 モダン消費期は、「生産と分配の経済」であり、共通の需要の概念であありまsた。一方で、現在はモノが満たされ、需要が共通的ではなく、1回ごとの試みによって(お客様が喜ばれるかどうかが)模索される消費の時代となっています。例で食の話がでてきているのですが、「胃袋から舌へ、そして頭へ」という言葉がわかりやすいのではないかと思います。空腹を満たすための食から、味を楽しむ食となり、そしてワインに代表されるような頭で楽しむ食へと移り変わっていると小阪氏は説明されています。

2. なぜ、この「現実」が見えなくなるのか

 2章では、1章のように消費活動が大きく変化しているにもかかわらず、この現実が見えにくくなっている理由を説明しています。大きく3点に絞られて説明されています。
  1. 人は見ようとするものしか見えない(メンタルモデルとしての思い込み)
  2. 複雑すぎて見えない(局所的な解しか理解できない)
  3. 変化が大きすぎて見えない(受け入れがたい状況で防御的になる)
 この内容は、この消費社会が見えないということだけに関わらず、人が陥りやすい状況を説明していて、自分も気をつけなければならないと気づかされる内容でした。

3. 売れない三重の問題とビジネスの未来

 3章では、なぜ売れないのかを3つに絞って説明しています。
  1. そもそも伝えるべき価値を伝えるべき相手に伝えていない
  2. 心の豊かさと毎日の精神的充足感の面から捉え直していない
  3. モノをコトとして見られていない

4. 新しいビジネス6つの整理要件

 4章では、新旧でのビジネス要件を対比させながら新しいビジネスでの要件を説明しています。
  1. 旧:価格訴求         - 新:価値創造
  2. 旧:商品力(感性価値)    - 新:商品力(コストパフォーマンス)
  3. 旧:顧客コミニュニティの育成 - 新:人口と立地
  4. 旧:新基準の品揃え      - 新:豊富な品揃え
  5. 旧:もてなしとしつらえ    - 新:ローコストオペレーション
  6. 旧:人材育成(感性と実践知) - 新:標準化とマニュアル化

まとめ

 この本を読んで、所有物の移転から体験の取引へという言葉が一番印象的でした。マイカーやマイホームがほしいという所有したいという欲求をおして、モノを販売するではなく、体験つまりコトを提案して、結果としてモノが売れるという考えです。もちろん、全てが上記のような消費社会となっているのではなく、現在は旧来の消費社会と新しい消費社会が併存している社会であると小阪氏も言われています。
 今後のビジネスを考えていく上で、一般的にはなりつつある考えかもしれませんが、改めてこの本を一読してみると新しい発見があると思います。

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