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2016年10月10日月曜日

FinTechの衝撃


 今更ではありますが、今回のドトール会は「FinTech」についてです。
この本は、下記の6章に分かれて、説明されており、各章とも非常にわかりやすく、読みやすい内容となっておりました。
  1. なぜ今、フィンテックなのか?
  2. フィンテックサービスの実際
  3. フィンテックの核心技術「ブロックチェーン」
  4. 金融機関のフィンテック戦略
  5. モジュール化する金融サービス
  6. 日本におけるフィンテックの方向性
 FinTechとは「Financial technology」の略であり、今に始まった話ではなく、昔からあった言葉です。
 1章では主に米国でのテクノロジー(モバイル化、デジタル化)の進化、市場(消費者心理、市場環境)の変化などが重なり、今改めて金融分野でのIT活用に変化が起き、また加速していることが語られています。(この部分は6章でも触れられていますが、日本とは環境がことなる部分です。)
 2章では、これも主に米国でベンチャー起業などが始めたフィンテックサービスについて触れらています。そのサービスを「新サービス」「代替サービス」「補完サービス」に分類し、下記のサービスが説明されています。
その中で特に発想の転換でうまいなと感じたのは、トランスファーワイズのP2P海外送金サービスです。これは、簡単に言うと「海外に送金したい人と海外からお金を受け取りたい人を同一国内でマッチンングさせることで、国際送金に関わる各種手数料を削減する」というサービスです。
  1. マーケットプレイス・レンディング
  2. バランスシート・レンディング
  3. ロボ・アドバイザー
  4. モバイル決済・送金
  5. デジタルバング
 3章はブロックチェーンです。ブロックチェーンについては、別の日のドトール会で話していますので、その内容を改めてブログにて記載します。
 4章は金融機関が今後どのようにFinTechと向き合うかで、提携や買収などの話題が書かれています。
 5章はサービスのモジュール化です。銀行サービスをモジュール化して考えたり、API提供についての話題がありました。特に興味深い話としては、フランスのクレディ・アグリコルの事例です。銀行がAPIを提供し、そのAPIを利用したサービス・アプリをサードパーティに開発してもらい、銀行が開設したマーケットプレイスでそれらを提供するというものです。
 6章については、1章の米国の状況と国内の状況は異なること(規制、高齢化、消費者の金融知識、国民性)を説明し、どのような考えがあるかなどが説明されていました。

 最後にドトール会での議論のまとめです。
  • 低金利時代であり、FinTechサービスの考えの中心はやはり中間手数料を削減することが主である。
  • 方法は、銀行の手数料を発生させないことであったり、AI・機械学習などのテクノロジーを利用して、人の手をなるべくかけないことなどである。
  • モバイル化、デジタル化は進み、銀行窓口に行く必要はすくなってきているし、これからもそうなる。ただ、やはり現金は必要でATMの数は減って欲しくはない。(ATM手数料はそれなりにかかるので、自分の利用銀行で夜間手数料のかからない時間に利用したいので。)
  • 国内のFinTechサービスと米国のFinTechサービスを比べるとやはり米国などの方がはるかに進んでいる感じがあるが、どのサービスも日本国内ではそれほどニーズがないからなのかもしれない。
  • FinTechサービスへテクノロジーベンチャーが参入するのは、それなりのハードル(知識・ノウハウ・資金面などで)は高そうである。
  • 今後も継続的に注目していきたい題材である。

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