2016年11月28日月曜日
「嫌われる勇気」=「他人はどうでもいい」ではない
今回の書籍は、2013年頃にかなり話題になっていたらしい(私は全く知りませんでした…)、「嫌われる勇気」です。
通して読んでみて感じたのは「とても有益な内容だけど、拾い読みやつまみ食いは危ない」でした。
少しでも本書に興味をお持ちの方は、途中を読み飛ばさず最後まで通読することをおすすめします。
というのも、文中にアドラー心理学のキーワードがいくつか出てきますが、分かりやすいスローガンや指針ではありません。
その言葉の意味するところを理解しないまま行動に移すと、むしろ痛い目を見るのでは…と思います。
例えば、本のタイトルである「嫌われる勇気」ですが、「他人なんてどうでもいいから嫌われても構わない」という論旨では全くありません。
対人関係を築く上で大切なのは「他者貢献」と「他者信頼」、そして「自己受容」だと説いています。
他にも「承認欲求は不要」と強くバッサリ切り捨てていたり、他者を評価してはいけないと言いつつ、
上で述べたように「他者貢献」が重要というのがアドラー心理学の肝です。
本書の文章は「青年」と「哲人」の会話形式で進み、青年が哲人にアドラー心理学の教えを請う形になっていて
青年は文中で何度も、哲人の言葉に矛盾があると噛み付いています。
この本をネタにした当日のドトール会でも、あれこれと肯定・否定の意見が出てきて、議論の題材としては良い本でした。
アドラー自身、「それまで生きてきた年数の半分」が、アドラー心理学の理解に必要だと言っていますし、
今後も折に触れて開けば、その都度発見がありそうな本です。
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